【2023.10.25掲載記事】
北海道最後の夜は、車中にて一人打ち上げの乾杯をした。
さて、最後の1日となる今日は、特に予定も立てていない。フェリー発は23時30分。たっぷり時間はある。現在いるのは余市町。フェリーターミナルのある小樽市に移動してもよいのだが、ここは既に自転車でいろいろ巡っている。来た時、余市町は泊まっただけで素通りだったので、最後はこの街を巡ることにする。
先ずは、この町、宇宙飛行士 毛利守さんの出身地であることから、道の駅に併設して『余市宇宙記念館』がある。9時からと表示されていたのでしばらく待つことにする。ところが、案内ボードをよく見ると月曜日休館とあるではないか。しかたなく見学は諦めることにした。
いつまでも道の駅にいるわけにもいかないので場所を変えることに。海が近くにあり公園もあるようなのでそこに移動する。この近くには、国指定文化財になっている『旧ヨイチ運上家』があるとのこと。早速行ってみることにする。調べてみると『「運上家」とは、江戸時代に蝦夷地経営のため、場所請負制度がとられた際、知行主の交易場所を請け負う商人が場所内に設けたもの』とある。いわゆる現在でいう物流ターミナル基地のような場所だろうか。おおきな建物である。商いの規模の大きさが感じさせられる。


建物の側まで近づくが、人の気配がない。平日だし、まだ時間も早いので開館時間が来ていないのかなと思い、入り口付近に行くと、なんとここも「月曜休館」とある。なんという不運。残念だが写真撮影のみになる。
ならば最後の切札は、ニッカの『余市蒸溜所』。見学が完全予約制ということは知っていたので、一抹の不安を抱えつついく。案の定、工場内の見学は予約が必要とのこと。しかも本日の見学は予約受付終了とある。スタッフの方に、「予約なしで見ることができる所はないのですか」と尋ねると、「ギフトショップとレストラン、それとギャラリーがあるのでそこは大丈夫です」という。よかった。元々、工場の方は、ワイン工場やビール工場と同じだろうと思っていたので、ここは見学先リストから外していたところでもある。ギフトショップとギャラリーが無料で見ることができるのはありがたい。

ショップで「余市限定ラベルのアップルワイン」と本日船中で飲むためのウイスキー「宮城峡」のミニボトルを購入。そして次に見たギャラリーが良かった。

ニッカのウイスキーが綺麗にディスプレイされており、試飲コーナーもある。車の運転があるので飲めなかったが、益々今日の夜の楽しみが増した。そして次のコーナーには、創業者 竹鶴政孝のメモリアルギャラリーとなっていた。日本初のウイスキー製造に至る歴史を知ることができた。いわゆるNHK朝のドラマ「マッサン」の世界と重なるのだと思う。時代に残る功績を成し遂げた者の顔には惹きつけられるものがある。


工場を後にする。気がつけば、お昼の時間を過ぎている。これまで「北海道ならでは」の味をいろいろ堪能してきたのだが、ぜひとも食べたいと思いながらまだ食べていないものがあった。「ホッケ定食」。今では日本どこでも食べられる魚だが、もう随分昔に、たぶん北海道だったと思うのだが、初めてホッケを食べた時の感動は今でも覚えている。ホクホクで、身が綺麗に取れ、そして甘く美味しかった。あの感動をもう一度味わいたいと思っていた。未達成のままかと思っていたのだが、ガイドマップに「お食事処 海鮮工房」が記されており、“ホッケ定食と海鮮丼がおいしい”とあるではないか。やった!! お店に入り、迷うことなく「ホッケ定食」を注文する。店内は、美味しそうに食事をしている人がたくさんいた。

しばらくして料理が運ばれてきた。店員さんに、思わず「大きいですね〜」と伝えてしまう。早速身をほぐす。ホカホカで気持ちよく身がほぐれていく。焼きたての暖かさが甘みを倍増する。「美味しい!!」。この味だった。海鮮物の高価で特別な食べ物ももちろん美味しいのだが、こうした普通の食べ物の中の美味しさとの出会いはまた格別なものがある。大満足で食事を終えた。
このあとしばらく海岸線をドライブする。日本海もいよいよ見納め。最後は、街がよく見えるという『毛無山展望台』に登り、ゆっくり時間を過ごした。


イオン小樽で翌日の船内での食料を購入し、フェリーターミナルに向かう。
手続きを済まし、出港の時間を待つ。
23時30分、予定通りに出港。早速、「宮城峡」を取り出し、ストレートで味を楽しむ。北海道に次に来る機会はいつになるだろう。
疲れていたのか、酔いがすぐきた。