料理をすることは苦にはならない。どちらかというと好きな方だと思う。
単身赴任が長く、自ずと自分で作らなければならないという環境もあった。焼いたり炒めたりすることから、揚げものまでもできるようになっていった。手間暇はかかるが、食べたい時に食べたいものを食べることができるというのはかなり幸せなことだと思う。
だからといって、美食家というわけでもない。元来、ものづくりが好きということもあり、「料理を作る」という行為も苦ではなく、どちらかというと作ることに楽しさを感じている。このような思考性もあり、またやらなければならない状況もあり、料理本を買い求めてはレシピ通りに作っていった。ただし創作的なことはできないし料理における「化学反応」的な知識もない。つまり深みのある料理スキルは持っていない。しかし、今はインターネットが何でも教えてくれる時代であり、YouTube動画によりありとあらゆる料理を作ることができる。
しかし、こう言いつつも趣味の車中泊やキャンプでは、手の込んだことはしていない。車中泊では食後の洗い物のことがあり、できる限り食器や調理用具を汚したくない。キャンプでは、焚き火とお酒さえあれば何を食べても美味しく、わざわざ凝ったものまで作ろうという気持ちが湧かない‥‥
と、まぁ「料理」について、あーだこーだと書いてみたが、実はある本のことを書きたかったからだけのこと。つまりは「前書き」「プロローグ」である。
実は、大変面白い料理本を見つけたのである。小田真規子著『23時のおつまみ研究所』という題名の本。

副題に『おつまみは「料理」にあらず「娯楽」なり』とある。行きつけの書店の棚に立てかけてあり、タイトルに惹かれて手に取ってみた。最初の数ページにこの本の趣旨が漫画で説明されている。実は、この本は料理本ではあるが、いわゆる“酒の肴”の調理本。つまり、「美味しく酒を飲呑む」、「楽しく酒を呑む」ための酒の肴の調理本なのである。そのために大切な軸として、「塩気」、「香り」、「刺激」、「温度」、「食感」、「旨み」をあげている。その上で、『おつまみの軸にとなるもの。それはこの、6つの要素です。このうち1つでも強くすれば、どんな食材でも即「つまみ化」します。最小限の労力でレパートリーが増えて、残りの人生、全つまみが美味しくなるのです。』と言い切っている。
とにかく、この本、読み続けるほどに「へぇ〜」、「なるほどね〜」、「そうなんだ〜」の連発になること間違いなしである。調理のコツや理屈が分かりやすく書かれてあり、調理の知識やいろいろな食材の特性も理解できるようになっている。レシピも具体的で実にわかりやすい。最後のページには、『おつまみに失敗はない。だけど「かんかうまく作れない」ときに見直す4項目』が添えられている。例えば、先ず分量については、「ひとつまみ」「大さじ1」「少々」「大さじ1/2」の違いが、次に、“100gってこれくらい”として、人参・なす・たまねぎ・きゅうり・にら・ブロッコリーを例にあげ映像で、また、火加減について、「強火」「中火」「弱火」も同様に映像で、さらには、調理道具や切り方「薄切り」「くし切り」「千切り」「みじん切り」「乱切り」なども、写真付きで説明されている。世の男性諸君のわかっているようでわからない部分ではないだろうか。
とにかく愉快で、かつ痛快な本である。超おすすめ本である。
キャンプ飯、車中泊飯に対しての考え方を変えなければならない気がしてきた‥‥