我が街の市立図書館には度々出かける。ここにある一人用のデスクは、私にとっての三番目の書斎である。Wi-Fiも入り、静かで人目も気にならず作業に集中することができる。ただコンセントがないのは唯一のマイナスポイント。デスクワークに疲れれば、或いは集中できなくなれば書棚の間を散策をする。ピピっと感じる本との出会いは、街中の書店と図書館では異なる。書店に並ぶ本は、新しいものや売れ筋のものが多いし、ジャンルもよほどの大型店でなければ全方位とは言い難い。図書館は、これとは逆の品揃えといったところだろうか。
さて、図書館の新刊本が並ぶ棚に、『地球の歩き方 歴史時代シリーズ「戦国」』という本が並んでいた。

歴史好きを自称する者の多くは、「幕末」と「戦国」の文字には心踊らされてしまうことと思う。この『地球の歩き方』という本、パッとイメージするのは国ごとに分かれた「旅ガイドブック」だとおもうが、この歴史時代シリーズ以外にも、「旅の図鑑シリーズ」などもあり、さまざまな視点から旅の面白さを伝えてくれている。
この『地球の歩き方 歴史時代シリーズ「戦国」』の表紙をめくったところに、「時を超え、物語を紡ぐ旅へ。本シリーズは歴史心をくすぐる旅の案内書です。ページをめくれば、旅の舞台となる時代の息吹が、史実とエピソードとともに語りかけます。歴史はいつだって波乱万象。過去のドラマを知り、今なお残る時代の証に触れてみませんか。本書のカバーを裏返せばタイムスリップしてもガイドブックだと悟られることもなく、現地を存分に楽しめます。そんな遊び心とともに、歴史への旅路へいざ!」と書かれてある。旅心がそそられてしまう。最初のページには、「雲海展望台」から望む、秋の備中松山城の写真が。雲海と紅葉に染まる木々の間から松山城がのぞく。うっとりしつつ眺め、そして行ってみたいとつい思ってしまう。歴史本かと思いつつ目次を見ると、やはりそこは旅ガイドブックである。歴史旅を充実したものにするための蘊蓄(うんちく)が、先ずは書かれてある。
先ずは、「戦国時代」の定義から。この本では、この「戦国時代」を、早くて1455年、遅くて1493年からとしている。歴史の授業では、「応仁・文明の乱」からと習ったと記憶しているが、近年の研究では始まりの時期がそれよりも前になっているようである。この頃の日本の人口は約1600万人。首都は山城国(現代の京都)。政体は、実質的な支配者である戦国大名たちの群雄割拠の時代。宗教は、仏教、神道、キリスト教、修験道など。言語は、武者言葉、古語、方言など。面積が37万㎢となっており、現代の38万㎢との違いは、北海道が含まれていないのだろうと思う。
更にページを進めると、「飲料水」について書かれてあり、「戦国時代では河原に遺体が捨てられていることもあり得るため、川の水を無闇に飲まないほうがいい」とあり、「敵対勢力に奪われたばかりの土地では毒を仕込まれている可能性があるため、安易な引用は避けたい」とも。「なるほどねぇ」と呟いたくなる。
この他にも、戦国大名勢力変遷図が載っており、1561年、1582年、1600年、そして「戦国時代の終わり」としている大坂夏の陣の1615年の4つの時点の勢力図が載せてあり、勢力争いの変遷を興味深く見ることができる。
本書の大半は、都道府県別ごとに、現存する「城」と、既になくなっている「城跡」と称されるものも合わせて網羅されている。こんなにたくさんのお城が日本にはあったのだと素直に驚いてしまった。また、歴史エピソードやその戦国旅周遊プランも載せてあり、結構分厚い本となっているが、飽きることなく読み進めることができた。気になるお城や史跡は、愛用のほぼ日手帳に書き写した。いつかは訪ねてみたいものだと思う。
実は‥‥、今日はこの本を読むために図書館に来たのではなかったのである。3月に予定しているタイバンコク旅のプランを練るためとお勉強のための来館。これらには全く手をつけることができなかった(汗)
しかし、まぁ、いい本との巡り合いでちょっとワクワクしながら時間を過ごすことができた。来春の大河ドラマは、「豊臣兄弟」である。「西郷どん」以降、大河ドラマの全編をしっかり見たという記憶がない。今回のドラマは、まさしく「戦国時代」である。興味を大きくそそられてしまう。