私の旅に自転車は欠かせない。愛車ブロンプトンは旅の良き相棒である。自転車を愛するものとして今回の『交通反則通告制度(青切符)』は合点がいかない。このことに対して一言ぜひとも言いたい。
4月1日から始まった自転車への『交通反則通告制度(青切符)』が施行され20日余りが過ぎた。これが始まった理由として、『① 自転車の交通ルールの遵守を図るため ② 違反者に対する実効性のある責任追求のため ③ 簡易でスピーディーな違反処理のため』の、3つが理由として各種警察関連のホームページに書かれてある。
また、自転車乗車中の死亡・重傷事故のうち、約4分の3は自転車側にも法令違反があり、このような情勢の中で警察は取り締まり強化しており、交通違反の検挙件数は増加傾向へ。その結果、迅速な処理を可能としつつ、悪質・危険な交通違反に対する実効性のある責任追求が求められたことから今回の法改正になったともいう。
これついては、賛否いろいろ出ているようである。エチケットやマナー違反、法令違反は論外である。その上で、今回の法律改定をどう考えるかは、どの立場に立つかで意見が異なるのは必然的なことだと思う。普段よく自転車に乗るのか、あるいは自転車に乗ることが必須であるかどうかと、反対に、車の利用が主体で自転車にはほとんど乗らないという場合では、自転車への視点や考え方は大きく異なるはずである。また人口密集の都市部に住むものと人口の少ない地方都市に住むものとでは、自転車との関わり方も大きく異なるはずである。
大阪で見た光景が忘れられない。幼い子供を自転車に載せ保育園への送り迎えをする親の姿である。前後に一人ずつ。風が吹いても雨が降っても親は必死で自転車を漕いでいる。地方ではあまり見ない、大都市ならではの光景に感じた。
今回、混乱と戸惑いの中でこの法律が施行されたように感じる。分かりやすいところでは、『① 携帯電話使用等(保持)、② 遮断踏切立入、③ 信号無視、④ 一時不停止、⑤ 二人乗り等、⑥ イヤホンなど利用、⑦ 傘差し運転、⑧ 無灯火』などは、これに異論を述べるものはないと思う。

個人的に、今回の改訂で今もはっきりしないのは、歩道走行の取り扱いである。警視庁のホームページら自転車の交通ルールに『自転車安全利用五則』というのが載っている。これには、『① 車道が原則、左側を通行。②歩道は例外、歩行者を優先』と書かれてある。ここが大きな混乱を引き起こしているように思う。前段でも書いたが、都市部と地方の交通事情の違いである。地方は今や完全な車社会。郊外型のショッピングセンターを中心に生活は回っているといってもいい。中心市街地はシャッター街となり、商店の前の立派な歩道に人の姿はまばら。また、我が街でいえば、市内を大きな川が複数流れている。当然立派な橋が架けられ歩道も設けられている。ここも同様に橋を渡る人の姿は殆どない。

こんなところでも自転車は歩道走行を例外的な扱いにするというのだろうか。
自転車利用者の安全確保をどのように考えているのかと言いたくなる。人と自転車では人が弱者になる。だから今回の改訂が行われたのだと思う。しかし、自転車と自動車で言えば、圧倒的に自転車が弱者なのである。
モータリゼーションの発展を国是のように扱い、車中心社会を推進し、それの邪魔になった自転車を車道から追い出していった。交通環境は車優先となり、人も自転車も危険を感じながら歩き(走行)している。地方に行けば行くほど、交通弱者の環境はひどい。
そんな中で、都市部のことしか念頭においていない法改訂。この文書の中で「改正」という言葉をあえて使っていない。「改訂」という言葉すら使いたくない気持ちの方がどちらかというと大きい。「変更」でいいのではないかとも思う。
国は、この法律施行に合わせ、道路環境の改善を進めるべきである。自転車環境を改善すれば、特に都市部の交通事情は大きく改善されるのではなか。自転車の利便性は、もっともっと見直されるべきだと思う。