今回の信州旅のメインディッシュ的な場所の1つ、『ビーナスライン』をひた走るのが今日の予定。ガイドブックには、起点の蓼科から最大の見どころの『美ヶ原高原』迄約76km、平均標高は1400mとある。
先ずは、「訪れる人々を魅了する神秘の池」と紹介されている『御射鹿池』に行くことにする。日本画家東山魁夷の作品に描かれ、またCMのロケ地としても有名とのこと。ビーナスラインのルートからは少し外れるが、やはり観光スポットとなっており駐車場に出入りする車が多い。早速車を止め池がよく見えるポイントに行く。なるほど絵に描きたくなるような池である。しかし陽が高く登ったこの時間ではなく、早朝や秋の紅葉の季節が更にこの池の魅力が引き立てられるのではないだろうかとも思った。まぁ、美しい池であることには変わりはないのだが‥‥。
ビーナスラインを諏訪湖方面から入りしばらく走ると、『蓼科』という地名が目につき出す。同時に雑木林が広がるその先に邸宅が点在しているのに気がつく。やがてこの辺りは別荘地であることに気付かされる。
その目線で改めて付近に目をやりながら進むと、別荘らしき建物の多さに驚かされる。別荘というと首都圏では『軽井沢』が頭に浮かぶ。今回、軽井沢にも行き別荘地も見てみたが、そこには邸宅とともにお洒落なレストランなども多数点在していた。ここで休暇を過ごす住人たちは、別荘での暮らしだけではなく、そこにある特別なレストランやショップでの時間も楽しむのだろうと想像した。しかし、この蓼科は、同じ別荘地でありながらレストランやショップなどをあまり見ることがなかった。ここ蓼科の別荘の住人たちは、邸宅での生活そのものを楽しむのだろうなぁと考えてしまったのだが、どうなのだろう。
ビーナスラインをどんどん先に進んでいくと、結構な頻度で路肩に展望スペースが確保されており、その都度車を停め風景を写真に収める。特に『霧ヶ峰富士見台』からの風景は素晴らしいものだった。富士山と南・中央・北アルプスを展望できる場所で、当然の如くたくさんの車と共にバイクも列をなしていた。
そして、いよいよこの先にあるビーナスラインのメインスポットである『車山高原』に向かう。1925mの山頂からの360度のパノラマビューは、とにかく絶景だとガイドブックも一押しの場所として紹介されている。山頂まではリフト、徒歩いずれでもOKとのこと。登りはともかく下山は歩いてみたい気もする。なだらかな登山道が整備されているらしい。時間と疲労度、料金の3要素から検討し、結局、往復リフト利用という最も一般的な選択をしてしまう。


しかしリフト料金ってどうしてこんなに高いのだろうと思ってしまう。今回の往復代金は2400円。これまでに利用してきたリフトやロープウェイも同様に高額だった。ここも冬季はスキー場となりスキーヤーを山頂に運ぶ役割となる。しかしこの時のリフト代は、1回きりの利用でこんな料金は取らない。ん〜、いろいろ考えていたら深みに入っていきそうなのでやめる。
3人がけのリフトに一人で悠々と乗る。登っていくうちに風の冷たさが増し、そして強くなっていく。リフトを乗り換え、更に上に登っていく。風が冷たく強い。上着は薄手ではあるが念の為2枚重ねをしてきたのだが、大正解だった。360度パノラマということは風を遮るものが何もないということ。日差しがあるのは救い。



ここからの風景は、まさに絶景。素晴らしいの一言。スマホのカメラでは、この広大な景色を取り切ることができない。パノラマ撮影で1回転しながら写すのが精一杯だった。この場所は、ちょうど本州のへそにあたるような場所。目の前には北アルプスや南アルプスの山々が広がっている。この時活躍したのが、ここに登る直前にダウンロードしたアプリ「AR山ナビ」というもの。山の名前を瞬時に教えてくれる。知りたい山を画面に取り込むと、同時に山の名前を表示してくれる。見える山の名前がわかると、その風景もグッと親近感が湧いてくる。これ以降大活躍をしたのはいうまでもない。
いよいよ今回のコースの終わりが近づいてきた。最後に寄る観光スポットは『美ヶ原高原』。標高2000mの大地は長閑な牧草地になっており、短時間から半日コースまで、様々なトレッキングコースが整備されている。もちろん最寄りのドライブイン&駐車場は車両で大混雑。久住高原の瀬の本ドライブインのようなロケーションである。適当な場所に車を停め往復1 時間のコースを散策する。瀬の高い樹木がないので景色は最高にいい。今回の旅で何度も使った「素晴らしい〜!!」の言葉の連発。どこで映しても大きな違いはないとわかりつつも何度もシャッターを切る。見飽きない風景だった。


さて、今回の『パノラマライン』もここで終わりにする。なお、道の駅に向かう途中、鉄道最高地点も経由する。
とにかく今日は、見どころ満載の素晴らしい場所だった。
本日の宿泊地『道の駅こぶちさわ』。本日の走行距離233km。